犬の陰部が腫れている場合
2021/08/21
犬の陰部が赤く腫れている。何か病気だろうか。元気そうにも見えるけど……。
そんな不安を抱えている飼い主さんもいると思います。
犬の陰部が赤くなる理由は色々あります。決してすべてが病気なわけではありません。
ここでは、犬の陰部が腫れているときの原因や対処法をお伝えします。
目次
犬の陰部が腫れている時、原因
犬の陰部が腫れている。何かの病気ではないか、不安に感じている方もいると思います。
ここではオス・メス別に、犬の陰部が腫れている原因をお伝えします
オスの場合
オスの場合、以下の可能性があります。
①勃起
嬉しいことがあったり、発情期のメスが近くにいたりすると、犬も興奮して勃起します。
勃起は腫れているわけではありませんが、飼い主さんからしてみると「陰部が腫れている」ように見えるかもしれません。
当然のことながら、時間がたてば収まるので、特に心配ありません。
②腫瘍・病気
陰部の近くに腫瘍ができてしまい、腫れて見えることも。
去勢していない場合、精巣腫瘍などができていることがあります。
ほかにも包皮炎や膀胱炎などの可能性もあるので、見つけたときはできるだけ早く獣医に診てもらいましょう。
メスの場合
メスの場合、以下の可能性が考えられます。
①発情期(ヒート)
メス犬の場合、ヒートが近づくと、陰部が通常の2~3倍近いサイズにまで腫れ上がります。
ヒートは半年ごとに起き、人間の生理のように犬も出血します。
陰部の腫れは、ヒートから1カ月近く続きますが、とくに問題はありません。
②偽妊娠
ヒートの前後の期間にまるで妊娠したかのようになる犬もいます。
犬は発情すると、卵巣から分泌されるホルモンによって2カ月ほど“偽妊娠”と呼ばれる状態になります。
犬によっては乳房が膨らんだり、乳汁が出てきたりすることも。
この時期に突入すると、ヒートのまま陰部も腫れ上がっています。
ヒート同様、偽妊娠の終了とともに、陰部の腫れも引いていきます。
③腫瘍・病気
上記以外にも、子宮蓄膿症などの病気や腫瘍ができている場合もあります。
ヒートや偽妊娠が当てはまらないときは、すぐさま医者に診てもらいましょう。
対処法・応急処置
陰部の腫れは、生理現象のこともあれば、病気や腫瘍を抱えているケースもあります。
勃起やヒート、偽妊娠に当てはまるようでしたら、そのまま放置しても問題ありませんが、それら以外の原因が考えられるときは、できるだけ早く獣医に診てもらってください。
とくに陰部の腫れ以外にも、発熱やげり、嘔吐などの症状が出ているときは、病気を疑いましょう。
犬の子宮蓄膿症の症状・原因・治療法・予防法
こちらの記事では、犬の子宮蓄膿症の症状・原因・治療法について解説します。
「なんか最近飼い犬が元気がない」、「陰部をしきりにペロペロとなめている」などの症状が見られる場合、疑われるのが子宮蓄膿症。
犬にとって、子宮蓄膿症は命にかかわる重大な病気。
「もっと早めに手を打っておけばよかった……!」と後悔しないよう、今から症状や原因、予防法などを勉強しておきましょう!
病気かどうか迷ったら受診しましょう
犬の陰部の腫れについてお伝えしました。
犬の陰部はふだんは毛に覆われていて確認しづらいですが、赤く腫れた部分が見え隠れすることがあります。
これには、ヒートや勃起などの生理現象であることもあれば、腫瘍や病気などの可能性も出てきます。
「生理現象かな? でも元気もないし、病気かもしれない」と迷ったときは、一度獣医に相談してみましょう。
適切な判断が下されることで、愛犬の健康を守ることにつながります。
きよかわ動物病院では、清潔な院内環境のもと、ペット一匹一匹に合った適切な処置を心がけております。
ペットの生活習慣や些細な悩みについての相談も受け付けておりますので、木更津のきよかわ動物病院へご連絡ください。
執筆者プロフィール
陣座 孝聡 / Takatoshi Zinza
獣医師 / きよかわ動物病院院長
- 北里大学 獣医畜産学部 獣医学科卒業
略歴
- 2002年 北里大学 獣医畜産学部 獣医学科卒業
- 2002~2005年 千葉県君津市内の病院にて勤務
- 2005~2014年 全国展開のグループ病院にて静岡、首都圏の病院を中心として合計3病院の分院長を務める。
- 2014年~ 千葉県木更津市にきよかわ動物病院を開業