猫の顔が腫れている場合
2021/08/21
愛猫の顔が何だか腫れている。
可愛らしい顔が腫れていると、痛々しくて見てられないですよね。
なぜ猫の顔が腫れてしまうのか? 原因や考えられる病気、治療法とは?
ここでは、猫の顔の腫れについて解説。
自宅の猫の顔に腫れが見られたときは、ぜひともご覧ください。
目次
猫の顔が腫れる原因
猫の顔が腫れる3つの原因をお伝えします。
1.菌に感染したから
猫がほかの猫などとケンカした際、顔や頬などに引っかき傷を作ることがあります。
そこから細菌が入り込み、顔や頬が腫れてしまうことがあるのです。
とくに野良猫はさまざまな細菌を持っており、感染の危険性が高いです。
また保護猫も以前外で暮らしていた場合、同居の室内猫が引っかかれたり、噛まれたりすると、感染する危険がありますので気をつけましょう。
2.虫に刺されたから
蚊やノミ、ダニ、ハチなどの虫に刺され、顔が腫れてしまうこともあります。
蚊などの虫刺されは、人間同様、数日間で自然と治まりますが、長期間腫れが治らない場合は、獣医に相談することをおすすめします。
3.膿がたまっているから
膿がたまることで猫の顔が腫れてしまうこともあります。
歯根部に膿がたまる根尖膿瘍(こんせんのうよう)や膿が副鼻腔内にたまる蓄膿症などを発症すると、頬や鼻が腫れることがあります。
考えられる病気
猫の顔が腫れているときに考えられる病気をお伝えします。
1.リンパ腫
リンパ球が腫瘍化したもの。猫が一番なりやすいガンです。
顔にリンパ腫ができると、潰瘍化することもあります。
2.蓄膿症
蓄膿症は鼻腔内に膿がたまっている状況。
猫の鼻筋が腫れて、熱を持つこともあります。
3.根尖膿瘍
歯根の先端に膿がたまっている状態です。
歯がグラグラと揺れているときは、その隙間から排膿されますが、歯に揺れがない場合、鼻水や鼻血のほかに鼻が腫れるといった症状も出てきます。
治療法
猫の顔の腫れを引かせるのに使われる治療法を紹介します。
1.薬剤の投与
ステロイド剤や抗生剤などを使って、腫れや炎症、細菌の繁殖などを抑えます。
薬剤の投与で一時的に顔の腫れは引きますが、病気が再発してしまうとまた元通りになってしまうので注意が必要です。
また抗がん剤を投与して、リンパ腫による腫れを治すこともあります。
抗がん剤の影響で嘔吐や免疫力の低下などの副作用が出ることもありますが、延命措置としては有効な手段の一つです。
2.外科的治療
膿が原因の場合、麻酔をかけて皮膚を切開しての排膿や、歯根膿瘍のときは抜歯などの外科的治療を行うこともあります。
猫の歯茎の腫れの原因や治療法
こちらの記事では、猫の歯茎が腫れる原因や治療法・予防法等について解説しております。
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そんな不安を抱えている方もいるでしょう。
愛猫の歯茎について不安な方は、ぜひこちらの記事を参考にしてください
猫の顔に腫れが見られたら、動物病院を受診しよう
猫の顔の腫れについてお伝えしました。
猫はほかの猫とのケンカなど、ちょっとしたことがきっかけで、細菌感染してしまうことがあります。
その結果、顔が腫れてしまい、大きな病気にかかってしまうことも。
「あれ? いつもと違うな」と感じたら、すぐさま動物病院に連れて行きましょう。
きよかわ動物病院では、清潔な院内環境のもと、ペット一匹一匹に合った適切な処置を心がけております。
ペットの生活習慣や些細な悩みについての相談も受け付けておりますので、木更津のきよかわ動物病院へご連絡ください。
執筆者プロフィール
陣座 孝聡 / Takatoshi Zinza
獣医師 / きよかわ動物病院院長
- 北里大学 獣医畜産学部 獣医学科卒業
略歴
- 2002年 北里大学 獣医畜産学部 獣医学科卒業
- 2002~2005年 千葉県君津市内の病院にて勤務
- 2005~2014年 全国展開のグループ病院にて静岡、首都圏の病院を中心として合計3病院の分院長を務める。
- 2014年~ 千葉県木更津市にきよかわ動物病院を開業