株式会社きよかわ動物病院

猫の口の中のできものの原因・治療法

猫の口の中にできもの・口内炎があった場合

猫の口の中にできもの・口内炎があった場合

2021/08/21

猫の口の中に出来物ができている。

口内炎かな? でも口内炎って放って置けば、気づかないうちに治ってるよね。そのままにしていっか。

そんな風に思っていませんか?

猫にとって口内炎はとてもこわ~い病気。放って置くと、食事もできず、衰弱死しかねません。

ここでは、そんな猫の口内炎の原因や症状、治療法、予防法についてお伝えします。

目次

    猫の口の中のできもの・口内炎の原因

    猫の口内炎ができる原因をお伝えします。

    1.感染症によるもの

    バルトネラや猫クラミジア、パスツレラなどの細菌や、猫カリシウイルス、猫ウイルス性鼻気管炎ウイルスといった上部気道ウイルスなどの感染症によって口内炎が発症することがあります。

    2.免疫の低下によるもの

    FIV(猫エイズ感染症)、ELV(猫白血病)、腎不全、糖尿病、副腎皮質機能亢進症、炎症性腸疾患といった病気や内臓疾患により、免疫力が抑えられてしまい、二次的に口内炎が発症することがあります。

    3.歯周病によるもの

    歯肉炎や歯周炎といった歯周病により、口内炎が発症することがあります。

    猫の口の中のできもの・口内炎の症状

    猫の口内炎には以下のような症状が見られます。

    1.よだれの大量分泌

    痛みなどによって、よだれを垂らすことが増えてきます。

    痛みが気になって口元を手でこすると、よだれでべとべとすることもあります。

    2.口臭がきつくなる

    猫があくびしたときやなめられたあとなど、口臭がいつもよりきついと感じたら、口内炎を発症しているかもしれません。

    3.体重の減少

    口のなかが痛く、食事をとりづらくなるため、体重が減ることがあります。

    体重減少が続くと、衰弱死につながってしまうので注意が必要です。

    4.毛づくろいをしなくなる

    舌に口内炎が発生していると、猫は痛みで毛づくろいを控えるようになります。

    猫の口の中のできもの・口内炎治療法

    猫の口内炎の治療法をお伝えします。

    1.投薬治療

    抗生物質やステロイド剤などを使って投薬治療を行います。

    しかし投薬だけでは一時的に症状を抑えられたとしても、完治にはつながらないと考えられており、外科的治療の補助的な役割と見なされることが多いです。

    2.歯石の除去

    歯周病が原因の場合、スケーラーを使って歯石を除去します。

    歯石の除去は全身麻酔をしたうえで行われます。

    3.抜歯

    抜歯手術を行うこともあります。

    ただし老猫など全抜歯といった長時間の手術に耐えられない場合は、短時間で行える部分抜歯で済ますこともあります。

    4.再生医療(細胞治療)の実施

    間葉系幹細胞を用いた再生医療を行って、口内炎の治療をすることもあります。

    外科的治療に比べると、身体にかかる負担が少ないため、手術が難しい猫などにもおすすめです。

    猫の口の中のできもの・口内炎予防方法

    猫の口内炎を予防する方法を紹介します。

    1.ワクチン接種

    猫が感染症にかからないようワクチンを打つことで、副次的に口内炎も予防できます。

    猫ウイルス性鼻気管炎や猫カリシウイルス、猫白血病などの感染をワクチンで防ぐことができます。

    2.食事の改善

    歯周病による口内炎を防ぐためにも、歯石がたまりづらいフードに見直すのもおすすめです。

    ドライフードはウェットフードより歯石が付きづらく、オーラルケアに効果を発揮します。

    3.歯磨きを行う

    歯周病の悪化による口内炎を防ぐためにも、歯のケアは重要です。

    なかでも、効果的なのが歯磨き。

    毎日磨くのが理想ですが、難しい場合は3日に1回でもかまいません。

    猫用歯磨き粉を利用すると、さらに効果がアップします。

     

    さっそく歯ブラシを使うと嫌がるかもしれませんので、まずは口元や歯をタッチするところから始めてみましょう。

    慣れてきたら、歯磨きシートを使って歯を磨いてみます。

    歯磨きシートとは、歯磨き用薬剤がすでに練り込まれているシートで、指に巻き付けて使用します。

    歯磨きシートも問題なくできるようになったら、歯ブラシにチャレンジしてみましょう。

    猫の歯茎の腫れの原因や治療法

    こちらの記事では、猫の歯茎が腫れる原因や治療法・予防法等について解説しております。

    愛猫の歯茎が赤く腫れているような気がする。

    食事も食べづらそうだし、このまま何もせずにいて大丈夫かな?

    そんな不安を抱えている方は、ぜひこちらの記事をご覧ください。

    猫の歯茎の腫れの原因や治療法

    猫の口内炎は、重症化する前に受診しよう

    猫の口の中にできた出来物についてお伝えしました。

    猫の口内炎は人間の口内炎と違って、とてもつらい病気です。

    痛みで食事ができなくなってしまい、衰弱死してしまうことも。

    そうならないためにも、日頃から予防することが大事です。

    また口の中に出来物を見つけたら、重症化する前に早く獣医の診断を受けましょう。

     

    きよかわ動物病院では、清潔な院内環境のもと、ペット一匹一匹に合った適切な処置を心がけております。
    ペットの生活習慣や些細な悩みについての相談も受け付けておりますので、木更津のきよかわ動物病院へご連絡ください。

    執筆者プロフィール

    陣座 孝聡 / Takatoshi Zinza

    獣医師 / きよかわ動物病院院長

     

    • 北里大学 獣医畜産学部 獣医学科卒業

     

    略歴

    • 2002年 北里大学 獣医畜産学部 獣医学科卒業
    • 2002~2005年 千葉県君津市内の病院にて勤務
    • 2005~2014年 全国展開のグループ病院にて静岡、首都圏の病院を中心として合計3病院の分院長を務める。
    • 2014年~   千葉県木更津市にきよかわ動物病院を開業
    •  

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