株式会社きよかわ動物病院

犬の歯茎が腫れた時の治療法

犬の歯茎が腫れた時の治療法

犬の歯茎が腫れた場合

2021/12/21

愛犬の口臭が気になる、なんとなくご飯を食べづらそうにしていたら、口の中を確認してあげて下さい。もしかしたら歯茎が腫れているかもしれません。 

ここでは、犬の歯茎が腫れてしまった時の症状や治療法についてご紹介します。 

目次

    犬の歯茎が腫れている時の症状

    犬の歯茎が腫れている時は以下の症状が出ているかもしれません。複数に当てはまる時はそれだけ症状が重い可能性もあるので、口の中や愛犬の行動をチェックするようにして下さい。 

     

    ・出血している

    歯茎が腫れていて出血もある場合は歯茎に炎症が起きている可能性があります。早急に動物病院で診断を受けて下さい。 

    関連記事>>犬の歯茎から出血している原因、治療法、予防法

     

    ・歯がぐらついている

    歯茎が腫れて歯がぐらついている時は症状がかなり悪化しているかもしれません。すぐに動物病院にかかりましょう。 

     

    ・口の周りに触ったり地面に顔をこすりつけたりする

    犬が口の周りに触ったり地面に顔をこすりつけたりすることは良くあることです。しかし、異常に口の中を気にするような行動をする時は、愛犬が口の中が気持ち悪いと感じている証拠です。できるだけ早く動物病院で診察を受けて下さい。 

     

    ・ドライフードを食べない

    今までドライフードを問題なく食べていたのにほとんど口を付けなくなった場合は、口内環境が原因で食べたくても食べられない状態になったことが考えられます。子犬の場合は永久歯へ生え替わっていて食べにくいだけかもしれません。しかし、歯茎が腫れている場合は口内疾患にかかっている可能性が高くなります。早めに動物病院で診察を受けて下さい。 

    犬の歯茎が腫れている時、考えられる病気

    犬の歯茎が腫れている時には以下の病気が考えられます。口の中の疾患は人間同様に自然に治ることはなく悪化していくだけです。愛犬の症状を早く楽にしてあげるためにも早急に適切な治療を受けることが大切です。 

    歯肉炎

    犬の歯茎が腫れた時に一番に考えられる口内疾患が歯周病です。歯と歯茎の間の歯周ポケットと言われるところに歯垢が付き、歯垢の細菌によって炎症を起こします。このまま放置するとさらに悪化した状態の歯肉炎になってしまいます。 

     

    歯肉炎は3歳以上の犬の約8割がかかっていると言われる口内疾患です。歯肉炎にならないために日々の歯磨きなどのホームケアがとても重要です。 

    乳歯遺残の歯周病

    乳歯遺残は子犬が成長するにつれて自然に抜けるはずの乳歯が残ってしまい、抜けないのに永久歯が生えてしまっている症状のことです。乳歯と永久歯が重なってしまっているので歯垢や歯石が溜まりやすく、歯周病になりやすくなります。 

     

    この症状は小型犬の1歳未満がなりやすいといえます。子犬のうちは体調を崩しやすいので、予防注射時だけでなく、月に1度などできるだけこまめに動物病院で健康診断を受けることをおすすめします。 

    関連記事>>犬の歯周病の原因や治療法、予防方法

    犬の歯茎が腫れている時の治療法

    犬の歯茎が腫れている場合、早急に動物病院で適切な治療を受けることがとても重要です。

    ここでは、犬の歯茎が腫れている時にどのような治療が行われるのか解説していきましょう。 

    歯肉炎の場合

    歯肉炎の原因は歯垢と硬くなってしまった歯石です。そのためスケーラーで歯垢や歯石を取り除く施術が行われます。その後研磨ブラシで歯の表面をきれいにします。 

     

    施術後は家で歯磨きなどのホームケアをしてあげることで完治させることができます。 

    関連記事>>犬の歯石の原因と取り方

    乳歯遺残の歯周病の場合

    乳歯遺残の場合は残っている乳歯を抜歯します。その後、歯肉炎と同様スケーラーと研磨ブラシでの施術が行われます。 

    通院の頻度

    基本的には日帰りで済ませられる施術です。ただし全身麻酔になるので施術前に食事を取らないようにするなどの注意事項があります。施術前の説明を良く聞いておきましょう。また、その後の経過観察やオーラルケアのやり方指導などでその後数回の通院が必要になることもあります。 

    犬の歯茎の腫れ予防方法

    犬の歯茎の腫れはホームケアで十分防ぐことができる疾患です。ではどのようなケアを行えばよいのでしょうか。 

    犬の歯肉炎の予防方法

    歯石は唾液の中や食べ物にあるカルシウムが口の中に残ることでできるものです。最初は歯垢の状態なのですが、歯磨きをせずに3~5日ほど放置すると歯石になります。そうなるともう歯磨きで取り除くことはできません。歯石に歯垢が付くと細菌が繁殖しさらに口内環境が悪化します。 

     

    そのためできるだけ毎日歯磨きをしてあげることが重要です。しかし、犬は急に歯ブラシを入れられたら大抵嫌がります。子犬のうちから歯磨きをする癖を付けておきましょう。オーラルケアは歯ブラシで磨くだけでなく、歯磨きペーストを使ったり歯磨きシートで拭いてあげたりしても構いません。 

    犬の歯周病の予防方法

    飼い主さんが毎日歯磨きをしてあげられればよいのですが、犬は基本的に口の中に触られるのを嫌がります。成犬になってからだと飼い主さんがオーラルケアをするのが難しいかもしれません。その場合は歯磨きガムやサプリメントを使うとよいでしょう。 

     

    さらに、徐々に飼い主さんが歯磨きをできるように口の周りに触るなどしてオーラルケアをできる状態に慣れさせていくことが重要です。 

    発見したら早めに受診

    犬の口内疾患はご飯も食べられなくなるので、ある意味命に関わる重大な疾患です。少しでもおかしいと思う症状がある時にはできるだけ早く動物病院にかかりましょう。 

     

    また、犬の歯の治療は暴れないように全身麻酔を使って行われます。全身麻酔は犬の身体に大きな負担をかける施術です。歯の疾患を起こさないように毎日の歯磨きなどホームケアをきちんとしてあげるようにして下さい。 

     

    きよかわ動物病院では、清潔な院内環境のもと、ペット一匹一匹に合った適切な処置を心がけております。
    ペットの生活習慣や些細な悩みについての相談も受け付けておりますので、
    木更津のきよかわ動物病院へご連絡ください。

    執筆者プロフィール

    陣座 孝聡 / Takatoshi Zinza

    獣医師 / きよかわ動物病院院長

     

    • 北里大学 獣医畜産学部 獣医学科卒業

     

    略歴

    • 2002年 北里大学 獣医畜産学部 獣医学科卒業
    • 2002~2005年 千葉県君津市内の病院にて勤務
    • 2005~2014年 全国展開のグループ病院にて静岡、首都圏の病院を中心として合計3病院の分院長を務める。
    • 2014年~   千葉県木更津市にきよかわ動物病院を開業

     


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