犬が喀血した場合
2021/06/16
ある日突然、愛犬が血を吐いたらパニックになってしまう人も多いでしょう。
命を落とすような病気にかかっているかもしれません。
「どうすればいいか、分からない!」と慌てふためく前に、知識を得ることが重要です。
ここでは、犬が吐血したときの原因や対処法・応急処置について解説します。
目次
犬が吐血した場合の症状
犬の吐血は、胃・十二指腸からの出血の場合、黒っぽい血液をしています。
ただし、口内やのどからの出血の場合、黒ずんでいません。
1回のみで出血量がわずかでしたら、しばらく様子を見てもかまいませんが、口の中に外傷があったり、食欲の低下や元気のなさが見られたり、最近、痩せてきていたりしたら、病院に連れて行ってあげましょう。
1回の吐血量が多かったり、繰り返し吐いたり、激しくせき込んでいたり、呼吸困難が生じていたりする場合は、早急に病院に連れて行くことが大切です。
早く治療することで、重症化を防げる可能性があります。
犬が吐血する原因
犬が吐血する4つの原因をお伝えします。
1.歯や口腔内の病気
犬も人間同様、歯周病になることがあります。
歯周病が重症化すると、口腔内の血液が吐き出され、ときどき喀血しているように見えます。
2.呼吸器の異常
鼻炎などが重症化し、鼻血がのどから逆流し、血を吐いてしまうことも。
肺などの病気が原因で、喀血が生じることもあります。
3.胃や腸などの消化器官の異常
出血性胃腸炎や急性胃腸炎が原因で吐血することも。
また胃潰瘍を発症して喀血する犬もいます。
消化され黒くなった血液が便に混ざって出てくることもあり、進行すると出血がひどくなり、貧血になるケースも。
胃がんや食道がんが原因で、出血することもあります。
4.中毒症
中毒症が原因で吐血することも。
誤飲が発生しないよう、日頃から気をつけましょう。
犬が吐血した場合の対処法・応急処置
犬が喀血したときにすべき対処法を紹介します。
1.動物病院に行く
必ず行ってほしいのが、動物病院に行くこと。
医師は血の色や嘔吐物などを見て、犬の病気を診断できます。
できれば吐いた血や便、嘔吐物は写真にとったり、ティッシュに包んだりするなどして、医師に見せたほうがいいでしょう。
とくに喀血を繰り返す場合は、早急な治療が求められます。
すぐさま獣医に診せ、適切な判断を下してもらいましょう。
2.絶食・絶水させる
何かしらの事情ですぐさま動物病院に行けない場合、比較的元気な犬なら24時間、元気がない犬は12時間ほど絶食・絶水させてみましょう。
それでも嘔吐などを繰り返す場合は、早急に病院に連れて行きましょう。
3.口内の異物を取り除く
口の中に何かしら異物が見えるケースの場合、早急に取り出してあげましょう。
足で犬の身体を挟むなどして保定し、口の中から異物を除去。
異物を飲み込んでしまった直後の場合、のどの奥に指を突っ込んだり、逆さ吊りにしたりしてすぐに取り除きます。
取り出すのが難しい場合は、即座に病院に連れて行きましょう。
4.喀血を我慢させない
喀血の時は出来るだけ、我慢させないように血液を吐き出すようにしてください。我慢させてしまうと血液が気道で固まってしまい、呼吸不全になってしまう可能性があります。
犬の歯茎の腫れの治療法や考えられる病気
こちらの記事では、愛犬の歯茎の腫れから考えられる病名や治療法についてお伝えします。
愛犬の歯茎が腫れていたら、何かしらに罹患している可能性があります。
犬の歯茎の腫れについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
すぐ病院へ
以上、飼い犬が喀血したときの原因や対処法について解説しました。
たとえ少量の吐血であっても、命にかかわる重大な病気かもしれません。
すぐさま病院に連れて行き、適切な治療を受けましょう。
きよかわ動物病院では、清潔な院内環境のもと、ペット一匹一匹に合った適切な処置を心がけております。
ペットの生活習慣や些細な悩みについての相談も受け付けておりますので、木更津のきよかわ動物病院へご連絡ください。
執筆者プロフィール
陣座 孝聡 / Takatoshi Zinza
獣医師 / きよかわ動物病院院長
- 北里大学 獣医畜産学部 獣医学科卒業
略歴
- 2002年 北里大学 獣医畜産学部 獣医学科卒業
- 2002~2005年 千葉県君津市内の病院にて勤務
- 2005~2014年 全国展開のグループ病院にて静岡、首都圏の病院を中心として合計3病院の分院長を務める。
- 2014年~ 千葉県木更津市にきよかわ動物病院を開業