株式会社きよかわ動物病院

犬の目が赤いときの原因・対処法

犬の目が赤いときの原因・対処法

犬の目が赤い場合

2022/02/12

犬の目が赤い……! 愛犬のいつもと違う様子に戸惑う飼い主さんも多いでしょう。

「なんかの病気ではないか? でも目が赤いだけで元気そう……」など対処法に困惑している人も少なくないと思います。

ここでは、犬の目が赤く充血している原因や症状、病名、対処法についてお伝えします。

目次

    犬の目が赤い原因

    犬の目が赤くなっている場合、大きな原因として考えられるのは、充血と出血です。違いが判らない方のため、それぞれどのようなものなのか解説します。どちらに該当するのか判断するのに役立ててみてください。 

     

    充血

    充血とは、目の血管が通常よりも過度に拡張してしまう状態のことをいいます。目の血流が増えることにより、普段は細くて見えないような血管が広がり、それが赤く見えてしまう状態です。病気のほか、花粉や虫が目に入ったなどの理由が考えられます。 

     

    出血

    出血とは、目の中の血管が壊れてしまい、そこから血液が流出している状態です。血管が壊れる原因はさまざまで、散歩中に目を傷付けた、他の犬とケンカして傷がついてしまったなどの理由が考えられます。 

    犬の目が充血しているときの症状と考えられる病気

    犬の目が充血している場合、どの部分に症状が現れているのかによってある程度原因を判断できます。

    症状がみられる部分と、そこから考えられる病気について解説します。

     

    1.黒目の部分が赤い

    前眼房内での出血など目のなかでの出血が考えられます。前眼房とは、目の角膜と虹彩の間のこと。

    ほかにも網膜はく離や眼内腫瘍、ぶどう膜炎などさまざまな病気が当てはまります。

     

    2.白目の部分が赤い

    衝突や落下などにより、眼や頭部に強い衝撃があったときに、白目が赤くなることがあります。

    ほかにも、花粉や虫が目のなかに入っていたり、おもちゃや骨などのおやつなどが目に刺さってしまい赤くなるケースも。

    単に心理的な要因で赤くなっていることも考えられます。

    犬の目が充血しているときの症状と考えられる病気

    犬の目が充血している場合、どの部分に症状が現れているのかによってある程度原因を判断できます。症状がみられる部分と、そこから考えられる病気について解説します。 

     

    黒目の中が赤い

    黒目の中が赤い場合は、網膜剥離や眼内腫瘍、ぶどう膜炎などの可能性が考えられます。 

     

    網膜剥離とは目の内側にある「網膜」という膜が剥がれてしまう症状です。網膜は正常にもの見るためにも欠かせない役割を果たしているものであるため、網膜剥離が起こってしまった場合、視力に大きく影響してしまうことがあります。対応が遅くなってしまうと、大幅に視力が落ちてしまうこともあるので注意が必要です。 

     

    眼内腫瘍とは、目の中に腫瘍ができてしまう症状です。目が各充血するほか、白く濁る、眩しそうに目を細めるなどの症状が現れます。 

     

    ぶどう膜炎とは、目の中にあるブドウ膜(虹彩・毛様体・脈絡膜の総称)に炎症が起こった状態です。涙が出やすくなる、瞳孔が小さくなるなどの症状が現れることがあります。 

     

    黒目の表面が赤い

    黒目の表面部分が赤い場合、血管が入り込んでいるために赤く見えていることがあります。主な原因は、外傷や異所性睫毛、角膜障害などです。 

    黒目部分に直接的な外傷がある場合、赤く見えてしまうことがあります。外傷の原因はいろいろありますが、他の犬との喧嘩もよくある理由の一つです。 

     

    異所性睫毛とは「逆さまつ毛」の呼び名で知られているものであり、まつ毛が通常の生え方ではなく、角膜側に向かって生えてしまいます。目に刺さると刺激になってしまうため、逆さまつ毛になっている部分を除去するなどの対策で状態の改善が可能です。 

     

    角膜障害とは、角膜炎などの炎症や、ドライアイなどによるトラブルです。角膜に血管が伸びるほか、目の表面部分が赤くなることもあるため、全体的に目が赤く見えてしまうこともあります。 

     

    白目の部分が赤い

    犬の白目が赤いのであれば、目や頭部への強い衝撃が原因となっている可能性を疑ってみましょう。 

    また、外傷が原因で出血することもあります。例えば、家の中の高いところから落ちた、散歩中に大きな衝撃を受ける事故にあってしまったなどのトラブルはないでしょうか。思い当たることがある場合は、一度獣医に診てもらったほうが良いです。 

     

    それから、目の中に異物が混入したままの状態になっており、それが取れないと充血につながってしまうことがあります。散歩中に砂や花粉、虫などが目に入ってしまうのは珍しい事ではありません。涙と一緒に流れてくれれば良いのですが、気になってこすってしまったり、涙を流しても取れなかったりすると充血、出血が起こってしまうことがあります。 

     

    白目の血管が赤い

    目の中でも白目の血管部分が赤い場合は結膜炎、角膜炎、緑内障などが関係しているケースが多いです。白目を観察し、充血していないかチェックしてみてください。 

     

    結膜炎は犬に良く見られる疾患であり、結膜部分が炎症を起こして赤く見えます。頻繁に繰り返す犬もいるため、早期に気づき、治療に取り組むことが重要です。 

     

    角膜炎とは、角膜部分の炎症で、異物混入のほか、事故、ケンカなどの原因が考えられます。炎症が悪化した場合、失明につながってしまう恐れもあるので、早めに獣医に診てもらいましょう。 

     

    緑内障は、眼圧上昇によって視神経に障害をきたす疾患です。視力異常につながるほか、失明してしまうケースもあります。気になる症状が見られた場合は早い段階で一度獣医に相談してみることをおすすめします。 

     

    目頭から赤いものが出ている

    犬の目頭には瞬膜(しゅんまく)または第三眼瞼と呼ばれる膜があります。通常は白またはピンク色をしており、目頭部分にしっかり収まっているので目立つことはありません。 

    ですが、何らかの理由によって赤く腫れたり、飛び出したりしてしまうことがあるのです。 

    もともと瞬膜が目立つ犬もいるのですが、普段は全く気にならないのに赤い瞬膜が飛び出して目立つ場合、病気の原因が考えられます。例えば、目頭に瞬膜を収めるために必要な靭帯の力が弱まって出てきてしまうチェリーアイです。 

     

    他にも、神経障害が原因で発症するホルネル症候群、耳内部の炎症である中耳炎などがあります。場合によっては腫瘍が関係していることもあるので、一度診察を受けてみたほうが良いです。 

    犬の目が赤い場合、すぐ病院へ

    犬の目が赤い場合、すぐに治療が必要なケースもあるため、獣医の元を訪れ、診察してもらいましょう。 

     

    心配いらない症状

    原因がわからない以上専門家に診てもらったほうが安全ですが、一時的に興奮したことが原因で目が赤くなっている場合、心配はいりません。他に気になる症状がない、食欲も通常通りあり、すぐに赤みがおさまったようなケースは少し様子を見てみましょう。 

     

    動物病院に行くべき症状

    心配いらないケースがある一方で、すぐにでも動物病院に連れて行くべき症状もあります。 

    特に、目が赤い以外にも何らかの症状がある場合は受診したほうが良いです。明らかに元気がない、嘔吐したなどあれば、早急に診察してもらい、治療について考えなければなりません。 

     

    目のトラブルであるため、放置した場合は失明につながってしまうようなケースもあります。早期発見、早期治療が重要なので、普段から予想をよく確認し、異常があれば早い段階で気づけるようにするのが理想です。 

     

    不安に感じた飼い主の方は、ぜひ木更津市のきよかわ動物病院にご相談ください。

    犬の目が充血している場合の対処法

    外傷や衝撃などが原因で目が充血するのを防ぐためには、目を離さずに見守ることが大切です。 

    しかし、注意していてもふと目を離したすきに目を傷つけたり、防ぎようがない病気にかかったりしてしまうことがあります。その場合の対処法についても確認しておきましょう。 

     

    NGな対処法

    絶対にやめたいのが「ただ興奮して赤くなっているだけだろう」と、自己判断してしまうことです。特に長時間目をしょぼしょぼさせていたり、黒目まで赤くなったりしている場合は万が一のことを考え、1度診察を受けたほうが安心です。それから、自己判断で人間用の目薬を使うのもやめましょう。薬効成分が含まれた人間用の目薬は成分が強すぎる恐れがあります。 

     

    犬の目の治療期間で注意すること

    治療期間中は、犬が目をこすらないように注意深く見守る必要があります。これは、トラブルが発生し、病院に向かうまでの間も同様です。 

    手や足で目をこするのを避けるため、エリザベスカラーを付けたり、抱っこして目をさわらせないようにする必要があります。 

    目が赤くなりやすい犬種

    シーズー・パグ・ペキニーズ・柴犬・ブルドック、ピットブルは、目が赤くなりやすい犬種と言われています。

    犬の目の下の腫れの原因や対処法

    こちらの記事では、犬の目の下の腫れの原因や考えられる病気、対処法について紹介しております。

    犬の目の下が腫れている……!目がかゆそうで可哀相だし、どうすればいいの?? 急な愛犬の変化に戸惑いを覚えている人もいるでしょう。

    犬の目の下の腫れは放って置くと大きな問題を引き起こすことも……!

    そうならないためにも、事前にこちらの記事で対処法を把握しておきましょう。

    犬の目の下の腫れの原因や対処法

    早めの受診がおすすめ

    犬の目が赤くなったときや充血しているときの原因や症状、対処法など分かりましたか?

    単なる興奮や緊張状態でしたら、とくに問題ありませんが、異物混入や病気のおそれもあります。

    早めに病院に連れて行って、適切な処置をしてもらいましょう。

     

    きよかわ動物病院では、清潔な院内環境のもと、ペット一匹一匹に合った適切な処置を心がけております。
    ペットの生活習慣や些細な悩みについての相談も受け付けておりますので、木更津のきよかわ動物病院へご連絡ください。

    執筆者プロフィール

    陣座 孝聡 / Takatoshi Zinza

    獣医師 / きよかわ動物病院院長

     

    • 北里大学 獣医畜産学部 獣医学科卒業

     

    略歴

    • 2002年 北里大学 獣医畜産学部 獣医学科卒業
    • 2002~2005年 千葉県君津市内の病院にて勤務
    • 2005~2014年 全国展開のグループ病院にて静岡、首都圏の病院を中心として合計3病院の分院長を務める。
    • 2014年~   千葉県木更津市にきよかわ動物病院を開業

     

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