株式会社きよかわ動物病院

犬が病院を嫌がる原因と克服法

犬が病院を嫌がる理由と克服法

犬が病院を嫌がる場合

2021/12/22

病院へ行こうとすると嫌がる、病院へ入るとおびえてしまったり威嚇したりする犬は多いです。

どれだけ嫌がっていても病院に行かなければならない。しかし、愛犬が心配になってしまうと悪循環におちいってしまう人も多いはずです。 

 

犬が病院を怖がったりストレスに感じたりする理由を知り、どうすれば嫌がらないのか克服法をチェックしておきましょう。 

目次

    犬が病院を嫌がる理由

    理由はいくつかありますが、ネガティブな記憶、環境のストレス、スタッフが苦手、高い場所が苦手、病院に置いていかれる不安感などが挙げられます。

    これらの理由すべてに当てはまる犬もいれば、当てはまるものと当てはまらない項目がある犬もいるでしょう。自分の飼っている犬はどの理由に当てはまるか見ていきましょう。

    ネガティブな記憶がある

    犬は痛みや苦しさなどを経験すると、「痛いことをされた場所」「苦しかった場所」と認識してしまう可能性があります。とくに病院は臭いや雰囲気、まわりを取り巻く環境が独特なこともあり、「病院=嫌な場所」と関連付けやすいことも理由でしょう。 

    病院によっては他の動物と一緒の待合室で待つ、自分の知らない動物がたくさんいることで不安やストレスにもつながってしまいます。 

    病院の環境がストレスになる

    病院という場所は、消毒液の臭いや独特の雰囲気、見慣れない器具などが多く存在しています。

    また、動物病院は他の動物も来院、治療するため、多くの臭いであふれています。

    人は気にならないような臭いでも敏感に感じ取っている犬だからこそ、病院という「環境」にストレスを感じてしまうのでしょう。 

    病院のスタッフが苦手

    病院という場所や環境自体はとくに嫌がっている様子は見られないけれど、獣医師や看護師が来たら嫌がる、怖がる場合はスタッフが苦手なのかもしれません。

    知らない人、普段見慣れない服装、自分の知らない器具を持っているからこそ、不安や恐怖心が生まれてしまうのかもしれません。 

     

    病院に通い慣れればスタッフに慣れてくる犬もいますが、スタッフが苦手なままの場合もあるため、覚えておきましょう。 

    高いところが苦手

    高い場所が苦手な犬は一定数います。人間も高いところが苦手な人もいるように、犬の個性によっては高い場所が苦手な場合もあります。 

     

    病院では獣医師が診察、治療しやすいように高さのある診察台に上がらなければならないことが多いでしょう。この高い場所へ上がることが怖い、高い場所へ行きたくないことから、「病院は嫌な場所」と記憶している可能性があります。 

    病院に置いていかれる不安がある

    定期健診や診察など短時間で治療するだけでなく、入院することもあります。今まで毎日飼い主と過ごしていた犬にとって、急に飼い主と離れて慣れない場所で生活することは不安になってしまうでしょう。 

     

    いつも会っていたのに会えない、いつ迎えに来てくれるか分からない不安感は、病院を嫌う、ストレスに感じる原因につながります。 

    犬が病院を嫌がるときの反応

    嫌がっているときの反応として、攻撃的になる、動かなくなる、粗相をするなどが挙げられます。これらの反応が出ているときは病院を嫌がっている、ストレスを感じている場合があります。 

     

    病院へ向かう道中や待合室で待つ時間、診察室での様子を観察し、これらの反応が出ている場合は落ち着けるよう工夫してみましょう。 

    攻撃的になる

    普段からおとなしい犬が攻撃的になったり、急に大声でほえたりする可能性があります。病院や獣医師、看護師に対して攻撃的な反応を見せるだけでなく、普段一緒に過ごしている飼い主にも攻撃的になる場合があります。 

     

    飼い主に攻撃的な反応を見せるのは驚くかもしれません。しかし、嫌な気持ちを表している、犬なりの感情表現なのでしかることのないようにしましょう。ここでしかってしまうと、病院はしかられる場所、嫌な場所というイメージが定着してしまいます。 

     

    時間があるようなら落ち着ける場所へ移動する、気を紛らわせてみると良いでしょう。 

    動かなくなる

    飼い主と一緒に歩いていた犬が病院に気付き、一歩も動かなくなることは少なくありません。入り口で止まってしまったり、診察台の上で飼い主に抱き着く形で固まってしまったりすることもあるでしょう。大型犬など一緒に歩いて来院する場合、病院に近づくにつれて足取りが重くなる、止まってしまうと予約時間に間に合わないなど、焦ってしまうと思います。 

     

    恐怖やストレスから身を守ろう、回避しようと動かなくなっている可能性があるため、しかって無理やり引っ張るのではなく気をそらせて前へ進めるよう工夫してみましょう。 

    粗相をする

    知らない場所や人に対する恐怖心やストレスから粗相をしてしまう犬は少なくありません。普段粗相はめったにしない犬でも、強いストレスによっておしっこを漏らしてしまう可能性があるため、飼い主は心の準備をしておくと良いでしょう。 

     

    粗相してしまったことをしかるのではなく、嫌がっていることを理解し、安心できるよう声をかけたりなでたりしてあげましょう。 

    犬の病院嫌いの克服方法

    病院嫌いを克服する方法として、病院の建物や空間に慣れさせる、待ち時間を工夫する、診察中もそばにいる、特別なご褒美を準備する、クレートトレーニングをするなどが挙げられます。 

    病院を嫌がる、ストレスに感じる原因によってどの克服方法を試すか変えてみても良いでしょう。飼い主の負担を減らしつつ、犬が安心して病院へ行けるように工夫してみましょう。 

     

    病院に慣れさせる

    病気のときだけ病院へ行くようにするのではなく、普段の散歩やお出かけのときから病院の近くへ行くなど、日常生活として病院の建物や道に慣れるよう工夫してみましょう。 

    普段の散歩で病院の近くを通る、病院へ行かない日でも車に乗ってお出かけすることで、「病院は怖い、嫌な場所ではない」「車に乗るときは楽しいお出かけ」と記憶の上書きもなるでしょう。 

     

    できれば病院嫌いになる前から病院慣れしておくことがおすすめですが、一度嫌いになってもこれから先ずっと嫌いなわけではないため、日常的に工夫してみましょう。 

    待ち時間を工夫する

    病院に入ってから診察に入るまでの待ち時間に緊張しないよう、車で待つ、キャリーバッグに入って待つ、もしくは他の人や動物が少ない時間帯を選んでみましょう。 

    犬によって、待ち時間と一言で言ってもストレスの原因になるものは違います。他の動物がいる環境なのか、診察室に入るまで緊張して待たなければならない環境なのか見極め、苦手な原因に合わせて対応してみましょう。 

     

    診察中もそばにいてあげる

    常日頃から通っていなければ、病院という場所は慣れない空間です。さらに、獣医師や看護師など「知らない人」に囲まれます。

    慣れない場所、知らない人に対して不安になっているようであれば、飼い主が保定、一緒にいることを検討してみましょう。事前に獣医師や看護師に相談しておくとスムーズでしょう。 

     

    不安な場所で知らない人に囲まれている状況が苦手な犬の場合、飼い主が近くにいることで緊張やストレスなく、診察を終えられるかもしれません。

    一緒にいるだけでなく声をかける、診察の妨げにならない程度になでてあげるのもおすすめです。 

     

    犬によっては飼い主が近くにいることで獣医師や看護師を拒否してしまう場合もあるので、その場合は距離をとる、犬から見えない場所へ行くといった対処法も試してみましょう。 

    特別なご褒美を用意する

    どうしても病院が苦手な犬の場合、頑張って病院へ行ったときは思いきり褒めてあげましょう。

    褒められることで自信や良い思い出に上書きされます。 

     

    嫌な気持ちのまま帰宅してしまい、何事もなかったかのように日常生活を送ってしまうと「病院は怖い、嫌な場所」というイメージが強くなってしまう可能性があります。

    病院へ行った日は特別なご飯にする、いつもとは違う豪華なおやつを出す、犬の好きな散歩やドッグランへ連れていくなどがおすすめです。 

     

    このとき「犬が喜ぶご褒美を準備する」よう気を付けましょう。犬が好きなことやおやつを出すことがご褒美につながるので、愛犬の好みや個性に合わせて準備してみましょう。 

    クレートトレーニングをする

    病院へ行くときに使うクレートやキャリーバッグに慣れておくことで、安心して病院へ行ける環境づくりにつながります。

     

    大型犬の場合はリードなどを使い、日常的な散歩と同じように病院へ行くことが多いかもしれません。

    しかし、小型県の場合はクレートやキャリーバッグへ入って病院へ向かうことが多く、普段使い慣れていないクレートやキャリーバッグにも恐怖心が湧いている可能性があります。 

     

    事前にトレーニングしておくことで、落ち着ける環境で病院へ行ける、診察室で待てるようになるでしょう。 ト

    無理せず、専門家や獣医に相談を

    いかがだったでしょうか。

     

    犬が病院を嫌がる理由は、犬の個性によって異なります。場所なのか、人なのか、それとも嫌な記憶なのかによって克服方法も異なります。 

    まずは病院に慣れるよう工夫し、特別なご褒美や診察中に一緒にいることを検討してみましょう。 

     

    きよかわ動物病院では、清潔な院内環境のもと、ペット一匹一匹に合った適切な処置を心がけております。
    ペットの生活習慣や些細な悩みについての相談も受け付けておりますので、木更津のきよかわ動物病院へご連絡ください。

     

    執筆者プロフィール

    陣座 孝聡 / Takatoshi Zinza

    獣医師 / きよかわ動物病院院長

     

    • 北里大学 獣医畜産学部 獣医学科卒業

     

    略歴

    • 2002年 北里大学 獣医畜産学部 獣医学科卒業
    • 2002~2005年 千葉県君津市内の病院にて勤務
    • 2005~2014年 全国展開のグループ病院にて静岡、首都圏の病院を中心として合計3病院の分院長を務める。
    • 2014年~   千葉県木更津市にきよかわ動物病院を開業

     

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